最初に申し上げること
いきなり Collect を
目指さないでください。
英国での展示を考える作家の方から最初に挙がるのは、たいてい最も有名なフェアの名前です。しかし実績のない状態で審査制の大型フェアに応募しても通りにくく、仮に通っても高額なブース費に対して回収できないことが多くあります。
順序を変えるだけで、通る確率も費用対効果も大きく変わります。
- London Craft Week にギャラリーや会場と組んで参加する。 市内各所で分散開催される形式のため、単独ブースを買うより格段に参入しやすく、公式プログラムに掲載されます。
- そこで作った写真と実績を持って、ギャラリーに持ち込む。 または既存のグループ展に参加する。
- London Design Festival の公式プログラムに登録する。 プロダクト・インテリア系であればここが有効です。
- そのうえで Collect Open に応募する。 実績があれば審査での見え方がまったく違います。
この順序であれば、初年度の費用を大きく抑えながら、二年目以降に本命へ進めます。
できること
五つの支援
出展先の選定と申込
作品の性格、価格帯、予算、目的から、いま応募して通る可能性が高い出展先を絞り込みます。申込書類の作成、英文の作家ステートメントとCVの整備、ポートフォリオの構成まで。
審査で見られているのは作品だけではありません。資料の完成度で判断されている部分がかなりあります。
ギャラリー・ショップへの持ち込み
ロンドンには日本の作家の展示実績がある会場が複数あります。Daiwa Anglo-Japanese Foundation のように日英交流をテーマに無償で企画を受け付けているギャラリーもあり、実績のない段階での現実的な入口になります。
持ち込み先の選定、企画書の作成、先方との交渉を代行します。
輸送・通関・保険
展示後に持ち帰る場合と販売する場合では手続きがまったく違います。前者はATAカルネという一時輸入の仕組みが使え、関税と輸入VATを回避できます。後者は正式輸入となります。
この判断を誤ると想定外の費用が出るため、企画段階で確定させます。梱包、輸送業者の手配、保険の付保まで。
什器・会場設営
台座、什器、照明、什器の運搬。英国の会場は「床だけ」の契約が一般的で、什器と照明は別途手配が必要です。会場指定業者を使う場合と外部業者を使う場合の費用差も含めてご提案します。
設営・撤収の当日作業も対応します。
会期中の運営・通訳・販売
渡英される場合は通訳として同席し、来場者との会話と商談を担当します。渡英されない場合は、作品だけお送りいただければ代理で会場に立ちます。
来場者の反応、質問された内容、価格への感触。これらは会期後のレポートとして日本語でお渡しします。
締切に注意
工芸系は、ファッション系より
締切がずっと早い。
これが最も多いつまずきです。Collect の個人向け枠「Collect Open」は会期の約8か月前に応募が締め切られます。Goldsmiths’ Fair も前年に募集があります。「来年出たい」と思った時点で、すでに募集が終わっていることが珍しくありません。
出たい年の前年から動く前提で計画してください。開催カレンダーに各フェアの締切目安をまとめています。
よくある質問
この分野で実際によくいただく質問です。
英国で作品を展示・販売するには何から始めればよいですか?
いきなり大きなフェアに出るより、London Craft Week のようにギャラリーや会場と組んで自主企画を公式プログラムに登録する形が最も参入しやすく、費用も抑えられます。そこで写真と実績を作り、それを持ってギャラリーに持ち込む、という順序が現実的です。
個人でアートフェアに出展できますか?
フェアによります。Frieze London や London Art Fair はギャラリー単位の出展で、個人作家は直接出展できません。一方 Crafts Council 主催の Collect には「Collect Open」という個人・コレクティブ向けの枠があり、こちらは直接応募できます。ただし応募は会期の約8か月前に締め切られます。
作品の輸送と通関はどうすればよいですか?
販売目的か展示のみかで手続きが変わります。展示後に持ち帰る場合はATAカルネという一時輸入の仕組みが使え、関税と輸入VATを回避できます。販売する場合は正式輸入となり関税とVATが発生します。この判断を誤ると想定外の費用が出るため、企画段階で決めておく必要があります。
ギャラリーに持ち込むとき何を用意すべきですか?
プロが撮影した作品画像、英語の作家ステートメント(A4一枚)、CV(展示歴・受賞歴・所蔵先)、価格リスト、そしてそのギャラリーの既存取扱作家との関係を示す一文です。最後の一点が抜けている売り込みは、ほぼ確実に返信されません。
英語ができなくても大丈夫ですか?
問題ありません。ご連絡・進捗報告・レポートはすべて日本語で行い、現地とのやりとりはこちらが英語で引き受けます。会期中の接客や商談も通訳として同席します。ただし作家ステートメントなどの資料は英語で用意する必要があるため、その作成もお手伝いしています。